建築家フランク・ゲーリー展「I have an idea」

あけましておめでとうございます。店主です。

2016年もgreenをよろしくお願いします。


さて僕のお正月ですが。。。

実家行く→ごはん→寝る。

奥さんの実家行く→ごはん→寝る。


という感じが続いていましたが・・・


最終日の4日はこちらに行ってきました。


フランク・ゲーリー展!


世界的に活躍するアメリカの建築家、フランク・ゲーリー。



最近ではルイ・ヴィトン財団の美術館。

LAのウォルトディズニーコンサートホール。

そしてスペインのビルバオ・グッゲンハイム美術館。


圧倒的に個性的な建築物。そのアイディアはどこから湧いてくるのか?

ゲーリーは図面ではなく模型でそのアイディアを構築します。

出世作ともなったゲーリーの自宅の模型。

インスピレーションを得るのはまさにこんなもの。

この展覧会の面白いところは初期の模型から完成までを時系列に見せてくれるところ。

あまりにも斬新なその設計は2次元の図面では再現できないという問題が起き、ゲーリーは航空機の設計に用いられる3Dソフトを建築の世界に誰よりも早く導入しました。このことは建築の世界を変えていきます。

そしてなんといっても魅力的なのはゲーリーの「尖った」人柄。

”はっきりさせておこう。今の時代、世の中で建てられているもの、設計されているものの98%はまったくのクソだ。デザインに対する完成や人間に対する敬意もない。ひどい建物。ただそれだけだ。”


なんと口の悪いおじいちゃんなんでしょう。

しかしゲーリー本人の苦しみも透けて見えます。

”マニフェスト”と名付けられた文章が素晴らしかったので紹介します。

マニフェスト


まずアイデアが浮かぶ。ばかげているけど気に入る。模型をつくって嫌いになるまで見続けて、それから違う模型をつくることで、最初のばかげてるアイデアを別の見方でみる。するとまた気に入る。でもその気持ちは続かない。部分的に大嫌いになって、再び違う模型をつくってみると、全然違うけど気に入る。眺めているうちに、すぐに嫌いになる。でもまんざらではない。どうするか? そう、また模型をつくって、次から次へとつくる。模型を保管するだけでも膨大な費用がかかる。でもどんどん続ける。次から次へと進めるうちに、ほら見ろ、最高傑作だ。輝かしく、安上がりで、今までにみたことがないものだ。だから誰も気に入らない。


悔しくて死にたくなる。ところが神様がメッセンジャーを送り込んで皆に催眠術をかけるので、皆気に入る。そしてアイデアを盗もうとする。模型も盗んで行こうとする。頭脳や魂まで持って行こうとする。でも踏ん張って、絶対にくれてやらない。

やりたいのは、新しいアイデアを生むことだけ。たった一人で新しい模型をつくり続けたい。保管するのに膨大な金がかかるので、こんなことをしていると模型の倉庫代で破産する。

これは偉大な歴史。伝説でもあり本当のことなんだ。


この続きがどうなるかと言えば、皆が嫉妬し始める。嫉妬が彼らに努力するよう仕向けられればいいけれど、大半は台なしにするためにがんばる。そこんとこが厄介。


フランク・ゲーリー