梅沢和木 × TAKU OBATA 「超えてゆく風景」展 @ ワタリウム美術館

外苑前のワタリウム美術館にて開催されている展覧会を観てきました。

梅沢和木とTAKU OBATA は二人とも2000年以降に活動を始めた同世代のアーテイストです。
梅沢和木の作品は、パソコンの中から素材となる画像を探し、それらをコラージュによって一つの平面に凝縮させ、それを印刷し、上からアクリル絵の具などで加筆して作られます。つまり画像と現実を行き来しながら作り出す「絵画」なのです。 本展は、会期スタート後の梅沢和木の新作も展示に加えてゆきます。
TAKU OBATAは、デフォルメされているがギリギリ身体の構造を保った人間の動きと、コンピューターがフリーズした水平垂直だけのバグのようにもみえる激しくデフォルメされた衣服、この二つの関係を追求し不思議な空間を作りだす。さらにOBATAは、それをあえて木彫というクラッシックな手法で彫り上げます。
つまり二人の作品は、現実空間とデーターの中の世界を自由に行き来できる私たちの時代精神が作り出したもの。
今回の展覧会では、重力や伝統から解放された二人の作品から、「超えてゆく風景」をのぞいて見たい。
ネット上に散らばる画像をコラージュし、その上からドローイングする梅沢氏の作品は10年代のサブカル感満載。アニクラが増えてきた時代の空気ととても似ています。
あの頃流行ったシーパンクやヴェイパーウェーブ……今はどうなってるのかな……
病的に細かいコラージュは目を凝らしてみると観たことのある素材も多く、宝探し的な楽しみもあります。オタクにしかわからないものが多いですがw
またOBATA氏は90年代のポリゴン的な人体を木彫りで創るという作風。デジタル×アナログという作風において梅沢氏の作品と相性が良いです。
相反する要素をミックスするという発想。とても参考になりますね。
ちなみに美術館を出た直後に通りすがりのマダムに「こちらは今どんな展示をやってるの?」と尋ねられて困りましたw