既存の枠にとらわれない新しい価値観をどのように生み出していけるのか。
「個」が強調される中、信頼に足る家族・コミュニティーをいかに作り上げることができるのか。
みなの声に耳を傾ける社会を実現するには、どうすればよいのか。
霊長類の目があれば、自ずと答えは見えてくる。
学びの基本、サル真似ができる霊長類は人間だけ?
大量発生中のイクメンはゴリラ型の父親?
「ぼっち飯」ブームは、人間社会がサル化している証拠?
現代日本の民主主義はゴリラのそれ以下?
動物の一種としての人間に立ち返り、これからの共同体・国家のあり方を問い直す。
この山極寿一さんという方は……
山極 壽一(やまぎわ じゅいち、1952年 - )は日本の人類学者、霊長類学者にして、ゴリラ研究の第一人者。京都大学理学研究科教授。京都大学総長。日本学術会議会長。
ゴリラの研究分野では頂点に立つような方で京都大学の総長もされているですね……。
しかしながらこの方の著書、読みやすいですよ。
そんなにゴリラの事はよく知らないのですが、霊長類と呼ばれるのはゴリラ、オランウータン、チンパンジー、ボノボなどでサルはそこには入らないのですね。知らなかったー。
そして霊長類であるゴリラはグループを作り、協力しながら暮らし、トラブルがあっても争いではなくコミュニケーションで解決しようとします。
それと比べるとサルはトラブルは争いで解決させる、つまり買った方が正しい。となるわけです。
霊長類の頂点に立つ人間はやはり共同生活をしコミュ二ティを発展させてきました。しかし近年、個の時代と銘打って自分の事しか考えない人間が増えているのではないか?と山極さんは説きます。相手をねじ伏せ、勝ったものこそが正義なのだと。それはサルと変わらない世界ではないのか?
混迷する人間社会を建て直すヒントは霊長類たちにこそあるのではないか?という提議を軸に人間の進化の様子や大学をジャングルに見立てる独特な視点。となかなか楽しい一冊です。もともと雑誌のコラムを纏めたものなのでスルスルと読めちゃいますよ。
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