店主です。
本日の映画は「シングルマン」。2009年、トム・フォード監督作品です。
1962年11月30日。8か月前に愛する人を失ったジョージ（コリン・ファース）は、この日で人生を終わらせようと、死の準備を着々と整えていた。ところが大学での講義は熱を帯び、いつもならうっとうしい隣の少女との会話に喜びを抱く。そして遺書を書き上げたジョージに、かつての恋人チャーリー（ジュリアン・ムーア）から電話が入り……。
（シネマトゥデイより）
ファッション好きの方ならピンと来たのではないかと思いますが、あのトム・フォードです。
かつて破産寸前だったグッチを再生させたという偉業は数々のメゾンに影響を与えています。
そんなトム・フォードが初めて映画監督としてメガホンを取ったのがこの「シングルマン」
ところでこの作品の主人公ジョージは同性愛者なのですが、そこに気を取られすぎると作品の良さが霞んでしまう気がします。僕自身はストレートですが同性愛に特に偏見は持っていなくて、むしろある意味ピュアな恋愛観として鑑賞しました。
人生を終わらせることを選んだ者が対峙するのは、ありふれた日常の中にある輝き。
死を意識した瞬間に人は生きていることを実感する。（こういうテーマって他の作品でもしばしば出会いますね）
それにしてもこの作品はトム・フォードの美的感覚を楽しむだけでも十分の価値があると思われます。
ジョージが乗るメルセデス（徳大寺センセイ的に言うとメルツェデス）のフォルム、色、内装のウッドなど全てオシャレ！
またやたらとお洒落な家に住んでるのですが、調べてみたらフランク・ロイド・ライトの弟子だったジョン・ロートナーのデザインによるものらしいです。
内容的には苦手な人は苦手かもですが、美しく心情を描き出す絵面の良さは必見かもしれません。大人の映画ですね。
オススメ度 ★★★★☆
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